集中ケア認定看護師の私が目指す、ハイケアユニットでの教育
急性期病院で救急医療の経験を積み、呼吸療法認定士・集中ケア認定看護師の資格を取得。看護主任・認定看護師として院内・外で活躍中。教育担当として新人年間教育計画の役割なども担う。
▼目次
看護師としての歩み
認定看護師への挑戦
ハイケアユニットで質の高い看護を実現
看護師としての歩み
― 知識に基づいた指導・教育への変化
私は北九州の看護学校を卒業して、附属の病院に就職をしました。その病院は救急医療に力を入れていて、もともと救急医療への憧れがあったため、就職を希望しました。そこでは主に外科病棟で4年間勤務し多くの経験を積むことができましたが、振り返ると毎日忙しくなんとか業務をこなしているという状況でした。
その後、地元の大牟田に戻ってきました。新しい勤務先の方からは「救急医療に力を入れている病院で経験を積んできている人」と期待をしていただき、ICU(集中治療室)に配属していただきました。もともと希望していた救急部門でしたが、これまでの経験値だけでは通用しない課題に直面しました。
もう一度必死に勉強し直して、ある程度知識・経験が積めて自信が付いてきた頃に主任に抜擢して頂きました。『立場が人を育てる』そういうポジションに就かせてもらったことで 「経験値だけでなく、知識に基づいた指導・教育ができるようにならなければ」と私の中で問題意識が芽生えました。
― 呼吸療法認定士との出会い
主任になってからしばらくして、ある男性看護師と出会いました。その方は呼吸療法認定士の資格を持っており、人工呼吸器の管理など専門的な勉強をされていて、院内だけでなく院外でもさまざまな活動をされていた。それまではそういった資格があることも知らなかったため、看護師としてのビジョン・視野が一気に広がりました。
「私もこんな看護師になりたい!」と考え、まずは呼吸療法認定士の資格取得を目指しました。結構勉強を頑張らないと合格できないと聞いていたので、本当に頑張って、無事に合格することができました。
認定看護師への挑戦
― 認定看護師へのステップアップ
呼吸療法認定士になってからは、その分野については経験値だけではなく知識・根拠を持って指導ができるようになりました。
しかし、ICUには色んな患者様がいらっしゃいます。もっともっと勉強しなければと考えていたところ院内で認定看護師の話題が上がり、「これからの時代は、認定等の資格を取得した看護師がしっかり指導をしていくべき」と話をしていました。するとその翌日、師長から「集中ケア認定看護師の資格取得ができる学校が九州に初めてできる」とチラシを渡されました。
これまでは東京など大都市でないと勉強できなかったのが、九州に初めて学校ができるというお知らせが次の日に目の前に来た。病院もバックアップすると言ってくださり、何かに導かれるように認定看護師への挑戦が始まりました。
― 認定看護師になって変わったこと
認定看護師の資格を取得して変わったことは、同じ志の仲間との出会いから色んな刺激・気付きをもらうことができたことです。明らかに自分より知識も経験も持っている方が当たり前のことを当たり前に努力してやっている、仕事への向き合う姿勢から改めて学ぶこともありました。
また、専門知識を身に付けたことで、指導・教育の方法が変わりました。認定看護師の勉強の中では教育学も学びます。それまでは経験値を頼りに手探りでやっていたものが、教育学をきちんと学んだ上で指導・教育にあたるようになったことで、質の向上につながったとと思います。
ハイケアユニットで質の高い看護を実現
― ミッションは「看護の質を上げる」
当院にはハイケアユニットがありませんでしたが、今は必要だと考えています。
この病院は、院長先生のリーダーシップで「救急を断らない」ということを打ち出されてから、地域の中でも目に見えるような変化が起こっています。以前から顔見知りの救急隊の方がおっしゃるには「大牟田天領病院は断らずに受け入れてくれる、最後の砦なんだ」と。『救急隊が選ぶ病院』に変わったことで、患者さんの数がどんどん増えてきています。
集中ケア看護の観点では、入院して1週間のうちに超急性期のところでどれだけ患者さんを回復させられるかが、在宅復帰・社会復帰につながっていく上ですごく重要です。しかし、一般病棟でそういう患者さんたちを看る限界はどうしてもあります。だからこそ、病院がすごく変化し役割も変わっていく中で、僕はハイケアユニットが改めて必要だと感じています。
そして、ハイケアユニットで若いスタッフが経験を積んでくれて、そこでの学びを病院内で広めていってくれることが、病院全体の看護の質をアップさせることにつながると考えています。
私は、認定看護師として看護学校に講義に行く機会があるのですが、OFF-JTの講義形式の教育の限界はあると感じています。行動変容を起こすためには、やはり現場での成功体験が一番だと考えています。「これをすると、患者さんがこんなによくなった!」という体験によってモチベーションが上がり、内発的な学習意欲につながる。ハイケアユニットでそのような経験をさせてあげて、知識・技術を習得したスタッフが一般病棟でみんなに指導・教育をしていく。病院全体の底上げをしてくれるという流れを作りたいなと考えています。
~南4病棟師長からひとこと~
藤﨑主任は集中ケア認定看護師、呼吸療法認定士の資格を持っており、教育面に関して全面的に信頼し任せています。新人看護師からベテラン看護師まで理解できるよう根拠に基づく指導をしてくれています。管理面でも様々な場面で支えてくれる頼りになる人材であり、これからも病棟そして看護部全体を引っ張っていっていただきたいです。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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先輩看護師インタビュー
小児看護からキャリアチェンジ。結婚を機に大牟田天領病院へ転職した理由
自慢したい仲間と、高度な医療・看護が学べる環境がここにある
私が大牟田天領病院の人材教育・後進育成に惹かれた理由