作業療法士の私が、筋力測定研究チームでの活動から学んだこと
帝京大学福岡医療技術学部作業療法学科を卒業後、2014年4月に新卒で大牟田天領病院へ入職。地域包括ケア病棟チームに所属。筋力測定の研究チームに入り、学会等での発表に向けた活動にも参加。
作業療法士としての歩み
- 作業療法士を目指したきっかけ
大学への進学を考える中で、漠然と「手に職をつける」ということと「人と関わる仕事がしたい」ということを考えていました。地元・大牟田市の帝京大学福岡キャンパスには福岡医療技術学部があり、これからの超高齢社会で必要とされる医療職の道を志しました。
その中で作業療法士を目指そうと考えた理由は、脳卒中や高次脳機能障害といった疾患に対する訓練・日常生活動作(ADL)の獲得のための訓練以外にも、その人の趣味や生きがいに関わることができそうだと考えたためです。作業療法士は身体機能に対するリハビリテーションだけではなく、こころ(精神面)のリハビリテーションの役割も担うと知り、やりがいある職業だなと考えました。
- 当院を選んだ理由
いくつかの病院に見学に行きました。その中で大牟田天領病院は、リハビリ室が広く設備面が充実していたことと、先輩スタッフが声をかけてくれて気軽に話しやすい雰囲気を作ってくれたのが印象的でした。そういった理由で、当院への就職を希望しました。
筋力測定チームでの研究
- これまでの経験
整形外科での運動器リハ、脳神経外科での脳血管疾患リハ、回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟とさまざまなチームでさまざまな疾患・症例に触れることができ、急性期から回復期、生活期におけるリハビリを経験することができました。
実際に急性期から診る大牟田天領病院に就職してみて、仕事内容としては理学療法士と重なる部分も多く、自宅退院に向けた「食事」や「着替え」などの日常生活動作の獲得を目指したリハビリがメインにはなります。その中でも、趣味に関することや職場復帰に向けた復職支援などに関わることができています。
- 成果が実感できるリハビリを
入職して6年目頃から、筋力測定の研究チームに参加しています。リハビリドクターの渡邉英夫先生と一緒に、小型デジタルスケールを使用した筋力測定の研究を行い、院内学術や日本リハビリテーション医学会に発表することができました。
筋力測定研究チームでは、釣りの時とかに魚の重さを測る小型デジタルスケールをリハビリに活用した研究を行っています。安価で簡単に測定ができる小型デジタルスケールを導入することで、これまで5段階でおおまかな筋力測定しかできなかったのが、細かい数値で測定ができるようになります。リハビリの効果をセラピストの主観ではなく、客観的な数値で把握することができ、患者様ご本人も訓練の成果を実感しやすいといったメリットがあります。
今は肘関節の筋力測定研究を行っており、今後は研究結果を学会発表や作業療法ジャーナル等での掲載につなげていけるように頑張っていきたいです。
当院で学んだこと
- 固定概念をなくして考える
筋力測定研究チームの渡邉先生は90歳近くの大ベテランです。本の出版もされている先生が、未だに新しいことにチャレンジしておられる姿を間近で見させていただき、とても良い刺激になっています。そこから学んだことは、基礎はもちろん大切にしつつ、『固定概念をなくして考える癖を付ける』ことです。目の前の患者様一人ひとりに合わせて、少しでも工夫することができないか考えることを日々の仕事の中でも心がけるようにしています。
- 患者様の利益を考える
私たちが提供するリハビリには20分単位で料金が設定されていて、患者様にも自己負担いただいている。サービス提供者として「患者様が損しないように」という心構えを持つことを先輩から教わりました。
患者様の中には認知症の方がいたり、気分の浮き沈みがある方がいたり、さまざまです。より高いリハビリ効果が得られるよう、できるだけ患者様の調子が良い時に介入するといった柔軟な対応も必要です。リハビリの時間が来たからとりあえず訓練をはじめるのではなく、患者様のことを第一に考えて動くという心構えを学びました。私が後輩の指導にあたる際にも伝えるようにしていることです。
働く環境
- 良好な人間関係
スタッフ同士の人間関関係がとても良いと感じます。リハビリテーション科内だけでなく、医師や看護師・介護士といった他部署のスタッフとも話がしやすく、連携が取りやすい職場だなと感じています。
また体調不良や何らかの事情で急に仕事を休まなくてはいけない時に、チームのメンバーがお互いにフォローし合って、休みが取れやすくしてくれます。就職を検討されている方には、ぜひ職場見学に来ていただき、雰囲気を感じていただければと思います。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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