回復期から急性期への異動。「一緒に勉強しよう」その一言が後押しに
九州看護福祉大学(熊本県玉名市)を卒業後、2022年に新卒で大牟田天領病院へ入職。回復期リハビリテーション病棟からスタートし、現在は整形外科や腎臓内科の急性期病棟で勤務。実習指導者やリーダー業務も担っています。
《目次》
・看護師を目指したきっかけ
・大牟田天領病院を選んだ理由
・看護師として成長できる環境
・将来の目標
看護師は“身近な憧れ”だった
私は熊本県天草市の出身で、大学は玉名市にある九州看護福祉大学に通っていました。看護師を目指したきっかけは、母の影響が大きいです。母が看護師として働く姿を幼い頃から見ていて、「大変そうだけど、楽しそうだな」と自然と憧れるようになりました。夜勤のある仕事だったので、母がいない夜は祖父母の家に泊まりに行ったりもしていました。
また、中学生のときに職場体験で看護の現場に触れたことも、気持ちを後押ししました。もともと高齢者の方と関わるのが好きで、祖父母ともよく過ごしていたこともあり、看護師という仕事は自分にとって“身近な憧れ”になっていました。
“声かけ”に救われた体験が、私の看護観の原点
4歳のとき、腹膜炎で緊急入院し、手術を受けました。かなりギリギリの状態だったようで、当時は自分でも不安だったのを覚えています。でも、そのときに関わってくれた看護師さんが、とても親身に声をかけてくれました。「今日は元気そうだね」とか、少しの体調の変化に気づいてもらえたことが、すごくうれしくて。今でもそのやり取りは、なんとなく記憶に残っています。
声かけ一つで、こんなにも心が救われるんだと、そのとき感じた気持ちは、今の自分の看護観の原点にもなっています。
アットホームな雰囲気に、「ここで働きたい」
就職先を考えるときは、急性期の経験が積めるだけでなく、幅広い分野を学べる病院を探していました。
私自身は大牟田天領病院に実習に来ていなかったのですが、友人が訪問看護に実習で来ていて、「雰囲気が良かった」「悩んだときに上司の方が親身になってくれた」と話していました。そこでオンラインの職場見学会に参加してみたところ、若手の先輩看護師と副部長や師長さんがとてもフランクに話をされていて、スタッフ同士の距離の近さやアットホームな雰囲気を感じて、「ここで働いてみたい」と思ったのが入職の決め手でした。
回復期リハビリ病棟で学んだ、「チーム医療」と「切れ目のない看護」
実際に入職してみて、希望していた急性期ではなく、回復期リハビリテーション病棟に配属されました。当初はショックもありましたが、働く中でその気持ちは変わっていきました。認知症の方との関わりや退院支援の難しさ、患者さんの生活に寄り添う看護の奥深さなど、多くの学びを得られる環境だったからです。
中でも、褥瘡を繰り返していた脊損の患者さんへの「切れ目のない看護」が特に印象に残っています。ソーシャルワーカーやリハビリスタッフ、皮膚・排泄ケア認定看護師と連携しながら、予防策やケアを一緒に考え、最終的には転院先でも同じケアができるようにパンフレットを作成しました。必要な物品一覧や適切な処置の仕方を撮影した資料をまとめて、チームで一つの取り組みを形にできたことは、大きな経験になりました。
「一緒に勉強しよう」その一言が背中を押してくれた
3年目には、整形外科の急性期病棟に異動しました。ずっと希望していた配属だったのですが、いざそのときが来ると不安のほうが大きくて。新卒から2年間一緒に頑張ってきた同期とも離れてしまい、また実習以来の急性期ということで、スピード感や判断力に戸惑いがありました。
でも、実際に配属されると、先輩方が「一緒に勉強しよう」と声をかけてくれたり、処置に同行して丁寧に教えてくださったりと、安心して学べる環境が整っていました。先輩看護師同士も「これってどう思う?」とお互いに相談し合っている姿を頻繁に見ることがあり、分からないことは何でも聞きやすい雰囲気を感じました。異動後の1ヶ月間は、毎日フォローの先輩がついてくださり、本当に心強かったです。
回復期での経験も、急性期の看護に活かされていると感じています。たとえば「今このタイミングで介助量を減らす介入が必要」といった判断は、回復期を経験していたからこそ持てる視点だと思っています。看護師としての幅が、確実に広がっている実感があります。
学生時代に受けた学び。声に出すことで患者さんの変化に気づけるように
日々の仕事の中で私が特に意識しているのは「声かけ」です。学生時代、実際に演習をしていく中でモデル人形相手や生徒同士で患者役を行うときに、先生や同級生から「声が小さい」とフィードバックを受けたことをきっかけに、自分なりに意識するようになりました。大牟田天領病院に就職して間もない頃は、休憩時間もほとんど話をせず、師長さんに心配されるくらいだったのですが、意識して大きな声を出してみたら「案外いけるな」と思えるようになって。今では、声かけを通じて患者さんの小さな変化にも気づけるようになりました。
目指すのは、どんな場面でも頼られる看護師
まだ漠然としたイメージですが、将来的には地元の天草に戻って、地域の高齢者の方々の力になりたいという思いもあります。そのためにも、今はこの環境で幅広く知識・経験を積み上げ、どんな場面でも頼られる「オールラウンドな看護師」になりたいと考えています。
「不安でも、大丈夫。まずは一歩踏み出して」
これから看護師を目指す方や、就職活動中の皆さんに伝えたいのは、「最初は不安でも、やってみたら意外とすんなり進むこともある」ということ。自分の可能性に制限をかけず、ぜひたくさんのことにチャレンジしてみてください!
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
看護師募集中
大牟田天領病院では、患者さん一人ひとりに寄り添う看護を大切にしながら、職員同士が支え合える温かなチーム医療を実践しています。「声かけを通じて患者さんと向き合う」「急性期も回復期も幅広く経験を積みたい」——そんな想いを持つあなたも、私たちと一緒に働いてみませんか?