【薬剤師インタビュー】私が病院薬剤師を選んだ理由
薬剤部 主任 緒方
■経歴
・福岡大学薬学部薬学専攻科卒、福岡大学大学院博士課程前期卒（薬品分析学）
・大牟田天領病院 薬剤部に入職
・2015年に久留米大学病院にて3ヶ月間の研修を経て、2016年に日病薬がん薬物療法認定薬剤師取得
私が薬剤師を目指した理由
理系の研究に興味があり薬学部に進学しましたが、薬剤師になろうと思ったのは大学院の頃です。
大学で疾患の勉強をして病気自体に興味を持ったことと、病院実習で薬剤を使って患者さんの治療の過程を追いかける事が楽しく病院薬剤師を目指しました。
大牟田天領病院を選んだ理由
大牟田天領病院は、地元の総合病院で診療科も多く、短期間で多くの疾患や医薬品について学ぶことが出来ると考え、入職を希望しました。また、当時TDMも医療現場で少しずつ増えているところでしたので、大牟田天領病院で早くこれらの仕事を習得したいと考えていました。
実際に入職してみて、大学病院など大規模の病院と比べると一人の薬剤師がカバーする仕事の範囲は広く、TDM以外にも、抗がん剤レジメン管理、DI業務、製剤などを短期間のうちに経験させていただき、さまざまなことを勉強することができました。
なぜ病院薬剤師を希望したのか？
私が病院薬剤師を目指した理由は、詳細な採血結果やカルテ情報を確認しながら仕事ができることが大きな理由です。
患者さん一人一人の状態にあわせて医薬品の安全管理や効果確認ができる環境が、薬剤師の職能を大きく発揮できるところだと考えていました。医師や看護師をはじめ、多くの医療専門職とすぐに協議しながら仕事を進めていくことができることは、病院薬剤師の魅力だと感じています。
患者様とのエピソード
免疫チェックポイント阻害剤（ICI）を導入後、すぐにがんが進行してしまい斜視や嗄声が起こり、治療を中断してしまった肺がんの患者様がおられました。その後、少し症状が緩和した状況からシュードプログレッション（偽増悪）であった可能性を主治医や患者さんに説明し、ICIを再投与することで長期間治療を継続することが出来ました。
かなり提案に勇気がいりましたが、自身の提案した結果で患者さんやご家族から感謝されたことはとても印象に残っています。
心がけていること
他の医療スタッフとは異なる『薬学的な視点』『薬剤師だから気付けること』を意識して、患者さんの薬物治療に関わりたいと考えています。そのためにも、医療薬学会・臨床腫瘍学会などに参加し、専門的な知識のアップデートしていくことを心がけています。
また、保険調剤薬局の薬剤師が多く所属する大牟田薬剤師会に理事として参加をしています。入院中の医薬品の情報を退院後も引き継げるように、お薬手帳や退院サマリを通して薬薬連携を推進していきたいと思い、院外でも活動を行っています。
新人薬剤師が当院で働く魅力
急性期の治療から、積極的に病棟で患者さんの治療に介入していくことが可能です。
入院してすぐの患者さんは腎機能など状態が変化していることが多く、状況に応じた薬剤調節のスキルを学ぶことが出来ます。また、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞など再発予防が必要な疾患や糖尿病・慢性腎臓病・進行性の脳神経疾患など、長期的な症状コントロールが必要な疾患にはしっかりとした患者説明が必要です。入院患者さんと時間をかけて関わったり、カンファレンスで他職種と意見交換しながら患者介入できることは、長く薬剤師として働いていく上で貴重な学び・経験があります。
少し専門的にはなりますが、呼吸器がんや消化器がんの抗がん剤治療にも関わることができます。支持療法や緩和薬物治療など薬剤師目線の処方提案が奏功すると、とても励みになります。これらの業務も、がん薬物療法認定薬剤師として、新人教育サポートを取り組んでいきたいと思います。
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今後の目標
薬学と疾患の知識は以前よりも専門性が高く、更新も早くなっており、一人ですべてをアップデートしていくことは難しくなっています。ジェネラリストでありながら、みんなが何かの分野でスペシャリストを目指して行ける薬剤部にしていきたいと思っています。薬剤部のみんなが、当院で取得可能な認定・専門薬剤師の資格の取得にも挑戦していけるような雰囲気作りをしていきたいと思います。
薬剤師 募集中
当院では、新人薬剤師を募集しています。1年目から病棟活動を経験でき、さまざまな疾患が学べる大牟田天領病院で一緒に働いてみませんか？